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まえがき ※ダラダラと長いので興味のある人は読んでください。
●2010年12月
【いきさつ】
イチローファンである私たち夫婦は、いつかメジャーリーグ（以下MLB）の試合（もちろんイチローが出る試合）を見に行こうと以前から話し合っていた。2010年シーズン中は、取りあえず各々MLB観戦貯金を始めた段階で、現実味を帯びた話ではなかった。（でも、地球の歩き方・シアトル・ポートランドは買っていた。）
話が急展開したのは、サバーイディー・ラオ！出発直前の12月14日（日本時間15日）、オークランド・アスレチックスに松井の入団が決まったことから始まる。第一希望はイチローと松井の両者を見たかったのだが、2010年シーズンは同リーグ・同地区のチャンスにもかかわらず資金が間に合わず、2011年シーズン以降に照準を合わせていた。シーズン終盤には松井のエンジェルス退団が濃厚となり、日本球界に復帰するとの噂も出てきていた。そうなるとこの対決は二度と見られない可能性が高くなる。そこへ同地区への移籍が決まったわけだから、神がくれた最後のチャンスと思って、2011年シーズンに行くことに決めたのだ。
どんなスーパースターにも”引退”の日は必ず訪れる。イチローや松井にもいつかはその日がやって来る。その日が”いつ”か分からない以上、見る側も見れる時に見ておかなければならない。
個人的な希望は、松井はマリナーズへ移籍してほしかったのだが、松井の希望は優勝が狙えるチームということもあってか、私の希望は叶わなかった。ちなみに酷評された松井の打撃成績だが、マリナーズの2010年の打撃成績に当てはめると、打率はイチローに次いで2位、本塁打、打点は1位なのだ。
兎に角、MLB観戦に行くことは決まった。あとは日程が決まらなければ動けないので、MLBの2011年シーズンのスケジュール発表を待つ。
●1月
【MLBのスケジュール発表】
サバーイディー・ラオ！から帰り、忙しかったのかダラダラ過ごしたのか分からないまま正月が明ける。
通常ダイヤに戻ってMLBのホームページを見ると、2011年シーズンの日程が発表されていた。さっそくその中からマリナーズのホームゲームでアスレチックスとの対戦カードを探す。
シアトルは日本より北に位置し、気候的に約１ヶ月遅い。7,8月がベストシーズンだが、夏休みだと航空券の値段も上がるし、都合の良い日程がない。マリナーズのホームゲームにこだわっているのは、チームストアでイチローグッズを買いたいという、ミーハー的な理由だ。
吟味を重ね、最終的に4月21日（木）～24日（日）の4連戦に的を絞る。時期的にシーズンインしたばかりで、例年スロースターターのイチローと松井から快音が聞こえるか微妙だが、こればかりはその日の調子や、対戦投手との相性もあるので一概に言えない。何よりゴールデンウィークなど大型連休の前後は航空券が安いはずだ。さっそく航空券の調査に乗り出す。
【フライトの検索】
航空会社はマイレージの都合でスターアライアンス系に的を絞り、時間と効率と値段を勘案しながら調べた結果、次の２路線を最終候補にする。何れの航空会社も地上係員やCA、機内サービス等の評判は悪いが、無事故で遅延なく連れて行ってくれればそれでいい。
1.ユナイテッド航空
往路 4月22日：関空 17:10（UA886）10:48 サンフランシスコ 13:30（UA820）15:40 シアトル
復路 4月25日：シアトル 7:45（UA749）9:54 サンフランシスコ 11:22（UA885）15:15 関空
2.エア・カナダ ※便名の頭二桁がNHは全日空便
往路 4月21日：神戸 20:50（NH416）22:05 羽田 24:30（AC006）17:25 バンクーバー 18:35（AC8099）19:25 シアトル
復路 4月25日：シアトル 9:40（AC8090）10:30 バンクーバー 13:30（AC003）+1 15:50 成田（陸路）羽田 20:15（NH415）21:30 神戸
一見1.のプランが良さそうに見えるが、休暇は4月22日（金）から4月26日（火）であり、2.のプランは4月21日（木）の終業後に出発し、時差の関係で4月21日の夜着となり、1.のプランよりほぼ一日フリーの時間が増える。加えて復路のシアトル発が1.は7:45発だから、空港には5時迄に行かなければならないが、2.だと7時迄でいい。その分帰宅時間は遅くなるデメリットはあるが、2～3日がんばって会社に行けばゴールデンウィークだ。ユナイテッドは関空から飛んでいるのでまた使う機会はあるだろうから、今回はエア・カナダに乗ってみるのも悪くない。
ということで、暫定的に2.のプランで進めることにする。
【ESTA（電子渡航認証システム）の申請】
ESTAはビザなしで米国に渡航する旅行者が行う電子渡航認証システムのことを言い、渡航前に申請を行って渡航認証を受けておかなければならない。
申請には、姓名、生年月日、パスポート№、Eメールアドレス等の入力の他、以下のような質問もある。
これまでに不道徳な行為に関わる違法行為あるいは規制薬物に関する違反を犯し逮捕されたこと、あるいは有罪判決を受けたことがありますか？2つ以上の罪を犯して合計5年以上の禁固判決を受けたことがありますか？規制薬物の不正取引をしたことがありますか？犯罪活動あるいは不道徳な行為を行なうために米国へ入国しようとしていますか？
これまでに、あるいは現在、スパイ行為、破壊活動、テロリスト活動、もしくは集団殺戮に関係したことがありますか、あるいはしていますか？1933年から1945年の間に何らかの形でドイツ・ナチス政府やその同盟諸国に関連して迫害行為に関係していましたか？
・・・正直に「はい」と答えるテロリストはいるのだろうか？
1/12に渡航認証許可が降りる。申請にはひとり$14かかるので、名前を変えたVISA代のようなものか。
【航空券の購入】
ESTAの許可が下りたので航空券を購入する。原油高騰を受け、2月発券分からユナイテッド、エア・カナダ（以下AC）とも燃油サーチャージが値上げするので、1月中に発券したかったのだ。
1/13にACのホームページから検索するが、暫定プランの羽田発、バンクーバー行きのAC006便が出てこない。まさか売り切れたとは考え難い。1月就航が3月にずれ込んだ影響で、システム上の問題でも発生したんだろう。1.のプランでも良いので、気楽に構える。
翌1/14に再度検索すると、今度は出てきたので、システムが安定しているうちに航空券を購入する。氏名やパスポート№の他、セキュア・フライトプログラムの情報を入力して、全便の座席まで確定させ、予約を完了させる。すると予約完了のメッセージとともに、AC便の座席指定できなかった旨のメッセージが表示される。コードシェア便等、他社便なら分かるが、自社便の座席指定ができないなんて・・・ダメじゃん、ACのシステム。日を改めてコール・センターに電話しよう。
何はともあれ、早い行動のおかげで、予想していた価格の3/4程度の出費で済んだ。
【ホテルの予約】
航空券を買ったら、ホテルの確保だ。
メインはMLB観戦だが、日中は観光やショッピングもするだろうから、総合的に判断してUniversity St駅周辺か、センター駅になっているWestlake Center周辺でホテルを探す。
ダウンタウン・エリアのホテルは総じて高い。一泊$150以下の予算で、そこそこの設備と駅近の立地だと選択肢は限られる。その中から値段とロケーション、口コミ等から、Westlake Centerから2ブロックのWarwick Seattle Hotelに決める。
Westlake Center駅の近辺だとどこに行くにも便利だし、スペースニードルが近いため部屋によっては夜景も期待できる。地図によると行きたいアウトドアショップのREIにも近そうだ。
1/16にH.I.Sで予約。航空券やツアーで悪い評判をよく耳にするが、4日前までならキャンセルしても全額返って来るようで、通常価格は他社と大差ないが、初夢フェアでこの日までに申し込めば10%オフということでここに決めた。
ここも早い行動で、予算の3/4程度の出費で済んだ。これでチェンマイ行きの準備に集中できる。・・・と、この時は思っていた。
【フライトキャンセル？】
1/19にコール・センターに座席指定の電話をかける。
バンクーバー→シアトル間のAC8099便、シアトル→バンクーバー間のAC8090便、バンクーバー→成田間のAC003便の順に座席が決まり、後回しにされた羽田→バンクーバー間のAC006便の座席になって休便になる旨のリークを聞く。AC本社の正式発表がないと無料で変更はできないそうなので、正式発表後に改めて相談することにして電話を切る。バンクーバー→シアトル間の座席を決めた意味ないじゃん。
1/28にACのホームページに「羽田-バンクーバー線、就航見合わせのお知らせ」が発表される。
翌1/29（土）にACから携帯に電話がかかる。予め用意していたいくつかのパターンで話し合い、以下のフライトで決着する。（太字が変更箇所）
往路 4月21日：伊丹 14:35（NH2178）15:55 成田 17:00（AC004）10:05 バンクーバー 15:00（AC8097）15:49 シアトル
復路 4月25日：シアトル 9:40（AC8090）10:30 バンクーバー 13:00（AC003）+1 15:20 成田（陸路）羽田 20:15（NH415）21:30 神戸
もう一日休みを取らなければならなくなったが、3日も4日も同じだろうと気楽に考える。AC004便の座席も後方しか残っていなかった。おそらく予約クラスの高い順に連絡したのだろう。安いチケットだから文句言えないけど。
当初予約した復路の羽田→神戸を成田→伊丹に変えてもらった方が良かったかな。それよりバンクーバーで5時間近い乗換時間ができてしまった。どうやって時間を潰せばいいんだろう。トランジットでカナダに入国できるのだろうか？空港利用税は？・・・いらん心配が増えた。
●２月
【MLB以外の観光】
MLBの第1～3戦はナイターなので、日中の観光を大雑把に考える。
ガイドブックやWebで収集した情報と、私たちの趣向を照らし合わせた結果、Boeing Tour、The Museum of Flight、Ride The Duck Tour、Safeco Field Tour、Pike Place Market、Argosy Cruises、Space Needleに絞る。
他にPatagoniaやThe North Face、Columbia、Edy Bauwer等のアウトドアやウェアのブランドショップが徒歩圏内に点在し、大型アウトドアショップのREIにもぜひ行ってみたい。
毎回作成するスケジュールチャートにまずMLB観戦を書き込む。空いたスペースに上の観光をパズルのように埋め込むが、とても入り切らない。
家内はおみやげを買う時間が要るが、ひとりで別行動はできないとわがままを言う。まだ時間があるのでもう少し悩むことにする。
●３月
【観戦チケットの販売開始】
3/11に発生した東日本大震災でテンションが思い切り下がる。
MLB観戦チケットの発売が開始されたが、あまりいいシートが出てこない。
希望エリアはイチローを至近距離で観戦できるライトスタンドの前方。それから球場全体が見渡せ、イチロー、松井とも左打者なので三塁側3階席前方を狙う。このふたつを押さえられればあとは当日券でもOKだ。
希望のシートが出るまでチェックするのが日課となる。
●４月
【観戦チケットの予約】
MLB2011年シーズンが開幕する。イチローは好スタートを切るが、松井はつまずく。
日課のシートチェックの甲斐あって、4/2に4/22の三塁側3階席1列目のシートの予約が取れる。続いて4/5に4/23のライトスタンドの6列目のシートをゲット。出発前日までシートチェックを行ったが、結局気に入ったシートは出て来ず、残り2試合分のチケットは当日券を購入することにした。結果的に前売り券を買わなくても、当日券の方がメリットが大きいことを知ったのは現地に行ってからのことだった。
ちなみにチケットはどちらのセクションも前売価格は当日価格（30USD）より10%安い大人1枚27USDだが、Web利用料等の諸費用を加えて約35USDになった。当日券は諸費用なしの30USDきっかりだったので、人気カードでなければWebで前売券を買うメリットはない気がする。対面販売の方が安いというのも違和感がある。
【暫定スケジュール】
紆余曲折の末、Boeing Tourは半日は費やすこと、The Museum of Flightとジャンルが被ることから、今回は断念する。
そのThe Museum of Flight（16USD）とArgosy Cruises（25.2USD）、Space Needle（18USD）の3つは、City Passという6か所の施設に入れる9日間有効の共通チケットに含まれていて、個別に買うのとほぼ同額の59USDで購入できる。この3か所に入れば元が取れるので、現地で購入することにする。（下記暫定スケジュールの太字が対象施設）
ケチくさく無理やりスケジュールに詰め込んでみたが、三兎追うもの何兎得ることができるのか？
4月21日（木）
自宅 8:30（車） 神戸空港 （ポートライナー） 三ノ宮 （阪急電鉄） 伊丹空港 14:35（NH2178）15:55 成田空港 17:00（AC004）10:05 バンクーバー空港 15:00（AC8097）15:49 シアトル・タコマ空港 ＝ ホテル ＝ MLB観戦 ＝ ホテル
4月22日（金）
ホテル ＝ Whole Foods Market ＝ 10:00 Ride The Duck Tour 11:30 ＝ 12:30 Safeco Field Tour 13:30 ＝ The Museum of Flight ＝ MLB観戦 ＝ ホテル
4月23日（土）
ホテル ＝ Pike Place Market ＝ Seattle Aquarium ＝ 12:15 Argosy Cruises 13:15 ＝ ショッピング ＝ MLB観戦 ＝ Space Needle ＝ ホテル
4月24日（日）
ホテル ＝ シアトルセンター（Space Needle,Pacific Science Center,Experience Music Project） ＝ MLB観戦 ＝ ショッピング ＝ ホテル
4月25日（月）
ホテル（チェクアウト）5:30 ＝ シアトル・タコマ空港 9:40（AC8090）10:30 バンクーバー空港 13:00（AC003）
4月26日（火）
（AC003）15:20 成田空港 （京成電鉄） 羽田空港 20:15（NH415）21:30 神戸空港 （車） 自宅
【Ride The Duckの予約】
暫定スケジュールが決まり、Ride The DuckのHPを見ていると、予定日の午後のツアーが満席になっている。これは一大事と慌ててWeb上から予約する。
結果的に私たちのツアーはガラガラだったので、午後のツアーは団体の予約が入ったのかもしれない。
これも大人1人25USDなのだが、Tax、Web利用料で約4USD取られる。アメリカのシステムはよく分からん。
【出発準備】
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今回の荷物
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上の写真を見ると、我が家にしては大荷物のように見えるが、キャスターバッグはスカスカで、それぞれ2日分の着替えと予備の服、アメニティが入っているくらいで10kgほどだ。帰りは何kgになっているだろうか？
バックパックにはロストバゲージに備えて1日分の着替えと、防寒用のダウン、雨対策用のゴアテックスのジャケットを入れている。家内のバックパックは2kg弱、私のはノートPCが入っていて4kgくらい。
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