●Specialty's Cafe & Bakery
13:18にホテルに着くとレセプションが混雑している。7〜8人の団体がチェックインをしているのだが、何と20歳台と思われる日本人グループで、なぜかやけに時間がかかっている。辛抱強く待ってようやく私の番になる。
前回の部屋は2階で見晴らしがよくなかったため、ダメもとでSpace Needleが見える部屋をリクエストしてみる。強面の黒人スキンヘッドのレセプショニストはパソコンをながめ、3時以降なら用意できるとのこと。せっかくなので了承して3時過ぎに戻って来ることを告げ、荷物を預けてランチに出かけることにする。
セーフコフィールドでの飲食は別にして、今回は前回食べたお店以外の店で食べることに決めていた。もっとも文字通り背に腹はかえられない事態が起こった場合は反故にする程度の決意ではあるが。(笑)
ひとりでレストランというのも気が引けるので、カフェがたくさんある4th Ave、5th Aveに行ってみる。そしてセンサーが反応したのが5th AveにあるSpecialty's Cafe & Bakeryというお店。
さっそく入ってみると、若い女性店員がフレンドリーに話しかけてくる。
店:ハ〜イ!ご機嫌いかが?
私:いいよ、ありがとう
店:何にする?
私:君のお勧めは何?
店:全部おいしいわよ♪
私:じゃあ、ターキーサンドイッチとラテをお願い
店:持ち帰り?ここで食べる?
私:素敵な君を見ていたいからここで
店:うふ♪全部で$10.38ね
私:じゃあ、これで
店:ありがとう、できたら呼ぶからファーストネームを教えて
私:ケンイチ松山だよ
ちょっとフィクションが入ったけど、こういうお店はフレンドリーな店員が多く、カジュアルな会話がアメリカっぽくて好きなんだよなぁ。
それからしばらくして、
店:ケンイチ、できたわよ
私:おお、ありがとう
そのターキーサンドイッチを見て絶句!
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でかい、とにかくでかい。どうやって食うんだ?
野菜たっぷりで脂肪の少ないターキーはヘルシーなのだが、いかんせん厚みが10cm以上あってパクつこうとすればあごの関節を外さなければならないほどだ。ヘビじゃないんだから・・・。
結局上のパンを下にしてサンドイッチではなく、ターキートッピングパンと野菜トッピングパンにして何とかやっつけることに成功したが、シアトル最初の食事は意外に手強かった。(笑)
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食後はWestlakeまで戻り、前回入れなかったColumbiaに行ってみる。
外見からは広そうに見えたのだが、入ってみるとさほどでもなく、1階がギアがメインで2階はウェアが中心だった。前回REIで買ったColumbiaのパンツを探したが見つからず、何となくREIの方が買い物しやすい感じもあり、何も買わずに店を後にする。
次に前回行けなかったWestlake Centerでウィンドウショッピングする。
ガイドブック(歩き方)には”旅行者が何度も足を運ぶ”とあるが、フードコート以外は特に興味が沸かなかった。強いて挙げればMade In Washingtonという、ワシントン州の名産品を集めた店くらいだが、結局Westlake Centerを再び訪れることはなかった・・・。
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●温度センサー誤作動中のアメリカ人
3時になったのでホテルに戻ると、チェックイン待ちの行列がレセプションから溢れているではないか。20人近くいるだろうか。
それでもテキパキとチェックインは進み私の番になる。先ほどの日本人団体より早いかくらいだ。
ちゃんと申し送りができていたようで、Space Needle側の515号室をアサインされた。しかも角部屋で前回より部屋も広そうな感じ。
15:15に部屋に入り、荷物を放り込むとゆっくりする間もなく応援グッズと防寒グッズを持って15:40頃部屋を出る。
勝手知ったるホテルの裏口から4th Aveに出ると、今回も温度センサーが狂っているアメリカ人に出会う。
ちなみに私はフリースのプルオーバーとジャケットを着こんでいる。
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●セーフコフィールド
ホテルから5分ほどのWestlake地下駅からバスに乗り、International District地下駅で降りる。
この区間内のバスは基本無料なのだが、曜日だったのか時間帯だったのか、前回有料だったことがある。運転席側のドアに「FREE」と書かれていれば無料なのだが、このバスは「$2.25」の札がかかっていたので有料かと思いきや無料だった。後部のドアも開いたので、単に運転手が札をかけ忘れていただけなのだろうか。未だに有料・無料の見分け方が分からない。
もっともORCAカードもあるし、$2.25くらい払っても惜しくはないのだが。
International DistrictからQUEST FIELDを抜け、16:15頃セーフコフィールドに到着する。
このルートはレフト側の入り口に到着し、フェルナンデスとイチローの2枚看板の大きなポスターと、グローブ型のオブジェクトがありここが正面と勘違いする人も多いと思う。私も初めて来たときはそう思ったのだから。
この日は地元の開幕戦ということで、ラジオの生中継(と思われる)が行われていた。
そのレフト側の入り口を通り過ぎ、まずは3塁側のアルプス席に位置すると思われるチームストアに入る。ユメのリクエストのイチローTシャツと、サイン用のボール、パンフレットを買う。開幕戦限定のTシャツに心を奪われそうになるが、これを着るシチュエーションはこの3連戦しか思い浮かばなかったので何とか思いとどまる。相変わらず”限定”の文字には弱い。(笑)
チームストアを出て、バックネット方面に歩を進めるとイチローの看板がある。ちょうど3塁ベースくらいの位置だろうか。この写真は誰もいない間に撮ったが、人気選手だけあってここで記念撮影をしている観客も多い。
とりあえず「よぉイチロー、久しぶり!」と挨拶を交わしておく。(笑)
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バックネット裏のゲートまでやって来ると、すでに多くの観客が並んでいる。レフト側のゲートにも並んでいたが、こちらの方がかなり多い。
インターネット予約したチケットは、ここにある”Will Call”という窓口でバウチャーと身分証明書(私の場合はパスポート)、クレジットカードを提示して受け取らなければならない。
毎回ここに来るのも面倒なので、3日分のバウチャーを出してすべての入場券を受け取る。
通常はプレイボールの2時間前開場なのだが、この日はオープニング・ゲームとあって16:20頃開場になる。予想外に早い開場だったので、バックネット裏のゲートから入ることにして列の最後尾に向っていると、突如球場の通用口からマリナーズのキャラクターのムースが飛び出してきたので、慌てて写真を撮る。
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長い列の最後尾に着くが、思ったほど待たずに入場する。
セキュリティチェックも、予めバッグのチャックを開け、見やすいようにしておけば見る方も見られる方もスムーズに事が進む。
この日はオープニング・ナイトとして入場者全員に2012スケジュールのマグネットが配られる。
それを受け取り、階段を上がろうとすると頭上に写真のようなバットで作られたオブジェクトを見て、ガイドブックに載っていたことを思い出しカメラに収める。そもそもこのゲートから入場するのは初めてだもんな。
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スタジアムに入ると、まだマリナーズの選手が練習をしていた。
イチローたち中心選手の姿は見えないが、川崎がバッティング・ゲージ付近にいたので1塁側のベンチ裏で練習風景を眺める。
フリーバッティングはひとり10球ほど行うが、他の選手はその10球ほどを打って引き上げるのに、川崎は何度も何度も並んで何度も何度も打撃練習を行っている。
現時点ではたまにしか出してもらえず、満足いく結果も残せていないが、いつかこの努力が実を結ぶことを願って止まない。
がんばれ、#61 KAWASAKI!
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よく分からないが、すぐ近くにダースベーダーもどきが出没していて、この写真の赤色のパーカーを着た少年が不思議そうな顔で眺めている。
見難いが、左上には白色のダースベーダーもどきもいるのだが、こちらは被りものを脱いでいる。
アメージング・・・。
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マリナーズの練習が終ったのでTHE 'PENへ移動する。
THE 'PENはレフト側のグランドと同じレベルでブルペンを鍵の手に囲むようにあり、その裏には大魔神・佐々木の看板が掲げられている。
2000年から2003年シーズンまでの4年間で防御率は3.14、228試合に投げて129セーブを挙げたことが記されている。
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で、THE 'PENにやって来た目的はこれ。(笑)
詳しい条件は忘れたが、確か試合開始1時間前までHappy Hourで、ビールがどれでも1杯$5で呑めるのだ。
国産(BudやCoors)とプレミア(地ビール?)でそれぞれ価格が異なり、サイズもMとLがあるのだが、売り子のお姉ちゃんお勧めの一番高いプレミアのL(通常$9.75)のMAC & JACK'Sというビールをもらう。
名目上はブルペンでピッチング練習をしている風景を見に来たのだが、たまたまHappy Hourでビールが安かったので、つい買ってしまったということ。ちょっと苦しい言い訳だけど・・・。(←何で言い訳しないといけない?)
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試合開始前にバックネット裏の3階席の最上段まで行ってみる。
天気がいいので、マウント・レーニエやエリオット湾が綺麗に見えると思って行ったのだが、マウント・レーニエは見えず、エリオット湾もさほど綺麗に見えなかった。
ただ、ここからグラウンドのビューは素晴らしいけど、角度が急ではっきり言って恐い。
軽登山というのは大げさだが、上がったり降りたりも大変なのでこの席は選ばないだろうけど・・・。
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その最高部からレフトスタンド方向のQUEST FIELDを見ると、何やら的のようなものが見える。
「ここまで打ってこい!」という、SEA HAWKSの挑発だろうか? |
試合開始までもう少し時間があるので今のうちに腹ごしらえをしておくことにしよう。
で、選んだのはIvar'sのFish & Chips。前回は家内と二人で食べたので何とも思わなかったが、一人でこれはきつかった。
魚フライの方は何とか完食したが、ポテトは1/3ほど食べた時点で飽きてきて、そこから罰ゲームをこなすように口に運んだがモノには限度がある。結局半分ほど残した。
結果的に前回と重複した食事はこの一品だけで、今から思えば別のものにしておけばよかった。
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●オープニング・イベント
食事を終え自分の指定席に着き、電光掲示板に映し出されるオープニング・イベント開始までの時間がカウントダウンされ、18:32にカウントダウンが0になり、レフトスタンドの場外から花火が上がる。
この日の席はライトスタンドのやや右中間寄りの最前列で、すぐ目の前にレッドカーペットが敷かれ、スタッフがフラッグでトンネルが作られている。
そして場内アナウンスが選手をコールすると、すぐ目の前(10mほど先?)からマリナーズの選手が飛び出してくる。
日本人のトップを切って岩隈が登場。
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続いて川崎。全力疾走で元気をアピールする。その走り方だが、肩に力が入っているように見えるのは気のせいだろうか?(笑)
マイナー契約の招待選手からスタートして、この場に立てたことは嬉しかったことと思う。もちろんこれで満足することなく、一日も早くレギュラーに定着してもらいたい。
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そしてイチロー!
やはりこの人がコールされると球場全体のボルテージが一段上がる。
目下売り出し中の2番を打つアクリーの人気も上昇中だが、イチローとフェルナンデスへの声援はやはり別格だ。
ちなみにこの日先発するフェルナンデスはブルペンにいるのか、捕手のオリーボと共に名前のコールだけでここからは出てこなかった。
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かつてイチローと1・2番で、右中間のコンビを組んだマイク・キャメロンによる始球式が行われることがアナウンスされる。
記憶があやふやだが、ブルペン方向からキャメロンが登場すると観客が拍手を送り、キャッチャーをイチローが務めるというアナウンスでひと際場内が沸く。
このふたりが盟友であったことはファンにとって周知のことだったのだろう。
キャメロンの投球はワンバウンドでイチローのグラブに収まる。キャメロンとイチローは何か言葉を交わして抱き合う。アメリカではこういうシーンが凄く格好いい。
日本だとたまにアイドルもいるが、どこかの知事や大臣など、どこか堅苦しい人が始球式をするイメージがある。
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●試合開始
時間通り19:10に試合が始まる。
当然のことだが、その前にマリナーズのホームゲームなのでエリア51に向かってイチローが走って来る。
それだけで「Let's go ICHIRO〜!」などの声援が飛ぶ。
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そして守備位置につくと、いつものように芝生の状態を確かめる。
マリナーズの先発はフェルナンデス。東京ドームで開幕投手を務め、ローテーションを変えて地元でも開幕投手を務める絶対的エースだ。
1回の表、アスレチックスの攻撃は三振、三振、レフトライナーでフェルナンデスは上々の立ち上がりを見せる。
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アスレチックスの先発はサイヤング賞の経験のある好投手コロン。
1回の裏マリナーズの攻撃は、1アウトから売り出し中のアクリーがヒットで出塁し、イチローの第1打席を迎える。
初球のチェンジアップを積極的にを打っていくが、残念ながら結果は浅いセンターフライに終わる。
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ライトスタンド最前列からのビューはこんな感じ。
イチローとの距離は20mくらいだろうか。
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3回の表に連打とフィギンスのまずい守備でアスレチックスが2点を先制する。
イチローの第2打席は、4回の裏の先頭打者で回ってくる。
2-2からファウルを1球はさんで6球目を詰まり(詰まらせ?)ながらレフト前にヒットを放つ。とりあえずイチローの生ヒットを見ることができてホっと胸を撫で下ろす。
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左中間にある電光掲示板には「ICHI-RIFFIC」と表示されているが、意味が分からない。
ICHIROと〜RIFFICを掛け合わせた造語であることは想像つくのだが・・・。
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イチローの第3打席は6回の裏、1アウトランナーなしで回ってくる。
1ボールからの2球目の速球を打って、いい当たりだったもののファーストゴロに倒れる。残念。
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続く7回表アスレチックスの攻撃で、2アウトから3番クリスプがライト線に大きなな当たりを放つ。しかしここはエリア51、イチローが打球まで一直線に走ってジャンピング・キャッチするというファインプレーで場内が沸く。
写真を撮ろうとしたが間に合わず、隣の男性に「写真撮れた?」と聞かれ、「ダメだった」と答える。
その代わりなかなか見られない電光掲示板の「Area 51」を撮る。
マリナーズはフェルナンデスに代え、8回からルーカス、ウィルヘルムセン、ファーブッシュとつなぐが、8,9回にそれぞれ1点ずつ取られて0-4となる。
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イチローの第4打席は9回裏の先頭打者として登場する。
アスレチックスのピッチャーはこの回から登板のバルフォアとの対戦となる。
結果は1-1からの3球目を打ち、サードへのファウルフライに終わる。
敗戦濃厚ということもあり、イチローが凡退した時点で席を立って家路に着く観客が目立つようになる。
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続く4番のスモーク、5番のシーガーも凡退して0-4で試合終了。
マリナーズはエース・フェルナンデスで初戦を落とすという、痛い出足となった。
22:15頃、失意の観客と一緒に球場を後にするが、私はここに戻って来れたという喜びもあってそれほど落胆はなかった。もちろん、マリナーズが勝ってイチローがもっとヒットを打てば言うことは無い。
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来た時と同様にInternational District地下駅まで歩き、無料のバスに乗ってWestlakeに戻る。
ホテルの向かいにあるRalph's Grocery & Deliでビールとつまみを買い、部屋に戻ったのは23時過ぎ。
長かった13日の金曜日も終わりに近づき、カシュっとビールを開けてひとり乾杯をする。
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風呂に入ったついでに洗濯をして、さらにビールを開ける。
せっかくSpace Needle Viewの部屋にしてもらったので、夜景を撮って1時頃就寝する。
40時間におよぶ長い1日が終わった。おやすみなさい。
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本日の歩数
歩数:20,187歩、EX歩数:11,645歩、消費Cal:784Kcal、距離:14.62km
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